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浄土真宗系の作庭
極楽浄土への道筋を表現
本作庭は浄土真宗の教理を表現した造りになっている。(野村庭園研究所の平成18年の測量調査によると本願寺の仏教の教え)
日本庭園との関係で考察すると親鸞を開祖とする浄土真宗は民衆の宗教であり、民衆を救済するための教理を説法する道場の庭である。
庭園テーマとして2つ紹介する。
・二河白道
浄土往生を願う者が迷いの世界から極楽に至る道筋を、水・火の二河をもとに解き明かした例。
・易行道/難行道
阿弥陀仏の本願という船に喩えられたはたらきに乗せていただき、浄土往生に導かれるとする念仏の教えのこと。
庭の構成
赤田氏庭園は南の築山に阿弥陀三尊に見立てた石組みをし、これを極楽浄土と見立てている。極楽浄土への道筋を二河白道、易行道/難行道として表現し、中央に池泉を配し亀島・鶴島がある。
庭園は西から東へと緩く傾斜する地形に随って造形され、中央に広く池を穿ち、池の西と南に築山を配す。
築山は、西側は切土による法面を利用して山並みをうねらせ、南側は盛土で築き東西の隅を特に高くしている。
家屋側から見た池は、手前が広く左奥に深く続くが、中ほど右手側に岬状の突出部を設け、その右奥に入り江状の部分を設けるなど、構成に工夫を凝らしている。西本願寺虎渓の庭・福田寺の庭が赤田氏庭園と同時期に作られ共通性が高い。
全体図
阿弥陀三尊
閻魔大王
桟橋
亀島
鶴島
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